東京高等裁判所 昭和56年(う)200号 判決
常習累犯窃盗は、常習として、刑法二三五条の罪又はその未遂罪を犯した者が、その犯行前一〇年内にこれらの罪につき三回以上六月の懲役以上の刑の執行を受けた時に処罰される犯罪であるから、被告人を常習累犯窃盗罪で処罰するためには、判決の理由において、「罪となるべき事実」として、その旨判示し、かつ、これを認めるに足りる証拠を挙示しなければならないところ、原判決は、「罪となるべき事実」の項において、被告人が本件常習累犯窃盗の罪を犯した旨判示しておきながら、その「証拠の標目」には、被告人が本件犯行前一〇年内に窃盗罪で三回以上六月の懲役以上の刑の執行を受けたことを認めるに足りる証拠を全く挙示していないことは判文上明らかであるので、原判決には理由のくいちがいないしは理由不備の違法があるものといわざるを得ず、原判決はこの点で到底破棄を免れない。